重度のワキガであれば、悩みも深刻でしょう。
デオドラント商品をいくつ試してもニオイがなくなることはなく、
回りの人の目線などが気になる・・・。
いっそのこと、手術をしてスッキリとしよう!!
そんな思いでワキガの手術を受けることを決心する人もいますよね。
あなたは、まだあれこれと悩んでいる最中かもしれません。
そんなあなたにワキガの手術についてお伝えします。
※ 当サイトにおいて、ワキガは、ワキガ体質である人が臭うことから、ワキガが「再発する」という表現はおかしいかもしれません。しかし、「ワキガのニオイが再び発生する」というよりも、腋臭症という病名がつくこともあるため、説明の便宜上、再発するという表現をします。
ワキガの手術の種類を紹介
わきの下に傷ができる切開・カニューレ挿入などの手術、施術
手術手法 | 種類 | 手術による切開 |
直視下手術法 | 剪除法 | あり |
非直視下手術法 | 皮下組織吸引法 | あり |
超音波吸引法 | あり | |
皮下組織削除法 | あり | |
サーミドライ | あり |
切開がない侵襲がない施術
施術名 | 手術による切開 |
ミラドライ | なし |
ビューホット | なし |
ウルセラドライ | なし |
ペアドライ | なし |
ボトックス注射
電気凝固法もあります。
ワキガの各手術・施術の概要を解説
剪除法
ワキの下を切開して皮膚を裏返し、アポクリン腺を目視して一つずつ取り除いていく手術です。高い確率で切除できますが、3~5cmの傷が1本残ります。
また、傷口の縫合技術によっては手術の痕に差が出ます。
入院の必要はありませんが、傷口が落ち着くまで1週間ほどのガーゼによる圧迫をして過ごすことが必要です。
皮下組織吸引法
ワキの下に小さな穴を空けてアポクリン腺、エクリン腺、皮脂腺をかきだして吸い取る方法です。傷口は目立たないのですが、アポクリン腺の根の部分が残って再発する可能性がある方法です。
超音波吸引法
皮下組織吸引法の手術方法に超音波をあわせた方法です。超音波によってアポクリン腺を破壊し吸引することを目的としていますが、ヤケドなどの合併症があり、またアポクリン腺をすべて吸引することは難しいとされています。
皮下組織削除法
カミソリのような刃物で皮膚組織ごと削り、アポクリン腺、エクリン腺を除去します。傷口は小さく効果も高いですが、回復に時間がかかり、手技を行う医師の技量が求められます。またリスクとして皮膚壊死の可能性があります。
サーミドライ
高周波を皮下組織に照射する方法です。直径2~3mmのカニューレを皮下に挿入するため少し切開をします。挿入口が小さく、傷口は目立ちません。アポクリン腺などを破壊するため、破壊されれば半永久的に再発することはありません。
ミラドライ
電子レンジと同じマイクロ波を使用する方法です。汗の細胞を破壊します。手術ではないので、傷口はなく、ガーゼによる固定もありません。ミラドライはアポクリン腺を直接みて施術するわけではないので、20%から30%除去しきれていないものが存在するので、術後臭がする可能性は大いにあります。ただ、2回まで、もしくはニオイの続く限り施術代金を追加せずに行ってくれる施設もあります。
ビューホット
ビューホットは極細針で汗腺に直接高周波を照射し汗腺を凝縮させる方法です。ミラドライ同様に切開はしないので、もちろん傷口はありません。こちらもミラドライと同様完全にアポクリン腺を破壊できるかは未知数のようで再発している人もいるようです。また、比較的新しい施術法であるため、実績が確立されていないことも一つの懸念材料です。
ウルセラドライ
ウルセラドライは超音波によってアポクリン腺、エクリン腺を破壊します。ただしこちらも30%ほどアポクリン腺が残ってしまうことになるようで、完治とまでは難しいようです。また、施術できる施設が日本では3つの施設しかないので、ただでさえ、施術費用が高いのに、交通費も高くなる可能性があります。
ペアドライ
ビューホットとウルセラドライの良いところを採用した施術となります。ビューホットの汗腺を凝縮させること、ウルセラドライの汗腺を破壊することを同時にするので、ワキガの再発のリスクがビューホットよりも、ウルセラドライよりも高いと言われています。
こちらは、ウルセラドライよりも施術料が高いうえ、やはりアポクリン腺を完全に摂りきることができるわけではないので、やはりワキガ臭が再発することがあります。
ワキガ手術の費用と保険適用できる手術は?
保険診療枠
手術法 | 費用 | 保険の適用 |
剪除法 | 20万~40万円 | なし |
4万~7万円 | あり | |
皮下組織吸引法 | 10万~30万円 | なし |
5万円程度 | あり | |
超音波吸引法 | 15万円程度 | なし |
5万円程度 | あり |
自由診療枠
手術および施術法 | 費用 |
皮下組織削除法 | 19万~35万円 |
サーミドライ | 約30万円 |
ミラドライ | 約35万円 |
ビューホット | 約33万円 |
ウルセラドライ | 約30万円 |
ペアドライ | 約33万円 |
参考
手技 | 費用 | 保険診療 |
ボトックス注射 | 8万~10万円 | なし |
3万円程度 | あり ※原発性腋窩多汗症と診断された場合 | |
電気凝固法 | 10万~13万円 | なし |
100%ない?ワキガの手術の成功率は
ワキガの手術については、剪除法は80%から90%、アポクリン腺を取り除くことができるとされており、保険適用もあり、かなり効果のある手術であることは確かです。
しかし、傷跡が残りますし、完全にアポクリン腺を取り除くことができるわけではないので、手術が成功しているかというとそこは、手術を受けた人の満足度に対する感覚だと思います。
かなり重度なワキガでほとんど臭いがしなくなったということで、満足とするのか、少しでも臭いがするので失敗とするのかということになります。
これはどの術式にも言えることで、ワキガの手術において、完全に臭わなくなって成功というのは、なかなか難しいというのが正直なところです。あとは手術を受けた本人が満足するかになります。
こどもがワキガの手術をする時、注意すること
ここでは、お子さんがワキガ臭がするので、手術をさせるかどうかという悩みを持った場合どうするかを考えます。こどもが手術をするとしたら、切開など切ることのない、ミラドライ、ビューホット、ウルセラドライ、ペアドライにするのが良いと思います。
切開がない分、嫌な思い出になることは少ないと思いますし、親心として、臭いで子ども同士のイジメのようなことがあった場合はそれから、解放されるわけですから、一つの解決策としては良いでしょう。
ただ、高額な自由診療であるうえ、ワキガが完治するわけではなく、再発の恐れもあることを承知の上での施術になることを理解して受けることになります。
再発の恐れがある理由は、アポクリン腺が発達するのが性ホルモンが分泌される第2次成長期であるため、それより前に手術を受けてもアポクリン腺が取り除かれていない可能性が高いということです。
このことから、決して早期の手術が望ましいとは考えられないので、じっくりと考え手術以外のことも考えて決断するのが良いでしょう。
芸能人はワキガの手術をしている?
実際、ワキガの手術をしている芸能人はいるようです。芸能人に限らず、女性は夏になればノースリーブなど袖がない服を着る機会は増えます。髪の毛が長い女性はその髪を束ねるときなど、ワキがみえる仕草の時にやはり傷跡が見える場合があります。
芸能人はそのような仕草をしたところを見逃さない視聴者などの投稿などから、ワキガの手術をしているであろうと推測されてしまっているようです。やはり効果が高いとされる剪除法など傷跡が残る手術を受けている人が多いようです。それだけワキガの臭いに対する悩みは強いものだと考えられますよね。
芸能人の場合は人前で美しく、周りの人にも迷惑をかけないように仕事をする商売だと思うので、手術に踏み切っている人も多いのだと思います。
皆さんもかなり重度のワキガで本当に悩んでいて夜も寝られないという、精神衛生上良くない状況におちいっているのであれば、手術も必要だと思います。そこまでではない、やはり手術は怖い、メスは入れたくない、高額な費用は払えない、高額費用を払っても再発するのは許せないというのであれば、今すぐ手術に踏み切るのは得策とは思えません。
ワキガの手術は入院で仕事を休む必要ある?
ワキガの手術は両ワキをいっぺんに手術するのであれば、仕事を休むことになるでしょう。ただし、たとえ病院にて生活をするとしても生活に支障が出るわけで一般的には片ワキずつ手術します。
したがって、基本的にはワキガの手術によって仕事を休む必要はありません。
ただ、自由診療の美容形成外科などは休日でも診療を行っていますが、保険診療を望むのであれば、大体の病院は平日ですので、1日は休むことになります。
片ワキずつの手術でも人によっては傷の痛み、ワキのガーゼなどの固定など多少の支障があり、傷部分の腫れ、発熱などがないわけではなく、そのような場合は、手術の日以外も大事をとって仕事を休むことになります。
今のお仕事は簡単には休めない、休む理由が言いづらい、手術による休みの場合は1日でも診断書が必要などというのであれば、手術に踏み切るのは待ったほうが良いかもしれません。そもそも、ワキガで悩んでいるのに診断書にワキガの手術のため休養を要するなんて診断書を書かれるのは嫌ですよね。
まとめ
ワキガの手術はかなり重度の方は臭いについて悩みに悩んでいるでしょうし、そのことで精神的に病んでしまっても意味がありません。精神的に参ってしまうようでしたら、少しでも早く、少しでも前向きになれるように手術をすることもお勧めいたします。
しかしながら、手術をすることには何かしらの理由で躊躇するのであれば、他の方法でワキガの臭いを抑える方法を考えたほうが良いと思います。
普段からワキの下を清潔に保つことも重要ですが、アポクリン腺からの汗を常在菌が分解することや、その分解により発生するワキガ臭を抑えるボディーソープやクリーム、サプリなどが開発され販売されているので、軽度から中程度の人はそちらを試してみるのがおススメです。